Rectangle Carpet – KENMOCHI-C
日本におけるインテリアデザインの黎明期を築いたデザイナー・剣持勇。その最晩年にインテリアを手掛けた、京王プラザホテル(1971年竣工)のプレジデンシャルルームのために製作された手刺緞通です。一見シンプルに見えるデザインの中に、複数の染色糸をミックスしたグリッドがリズミカルに配列されており、単色では表現できない温かな奥行きが生まれています。
※お使いのモニターやディスプレイ環境により、実際の色味と異なって見える場合がございます。
[ この製品の製法 ]
手刺(てさし)
手織緞通の量産化を図った製法です。原寸大の製作図面を基布に転写し、フックガンという専用の工具で羊毛を打ち込み、刺繍のようにじゅうたんを織っていきます。職人が工具と一体になり、図面に対して正確な動作を行うと共に、常に一定の力で高密度に羊毛を打ち込んでいくには、修練による高い技術を要します。
[ 素材について ]
主原料となる羊毛は、上質なニュージーランド産羊毛とイギリス産羊毛です。選び抜いた複数種を、剛直性、弾力、柔軟性、肌触り等の観点から、各製品に最適な割合でブレンドします。その後、自社の染色工房で堅牢に染め上げ、スチーム処理で撚りを調整したオリジナルの糸が完成。糸専門の職人が各製品用に仕上げます。
デザイナー
- 剣持 勇
- 1912年東京都生まれ、インテリアデザイナー。1932年に東京高等工芸学校木材工芸科を卒業後、商工省の工芸指導所に入所。来日したドイツ人の建築家ブルーノ・タウトに師事する。戦後、1952年に日本人デザイナーとしてはじめて米国を視察し、チャールズ & レイ・イームズやイサム・ノグチらとの交流を深める。1955年、剣持デザイン研究所設立。日本におけるインテリアデザインの黎明期を築いた。